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上司があなたに、人事異動の件とか、あるいはリスクのある仕事を依頼しようとするときには、「家族とゆっくり相談してからでいいから、どうするか返事をくれないか」と言う場合がありますね。 これは、一見、のんびりした依頼に感じますが、そんなことはありません。 なかなかしたたかな作戦が隠れているのです。 人を説得したり、納得してもらうような場合、多少時間を空けたほうが効果的なことが分かっています。 これを心理学用語で、「仮眠効果」と呼ばれるようです。 とくに仮眠効果が有効に働くのが、相手に不利に働くような人事異動とか、相手が信用していいかどうか疑っているようなときに、その気にさせる効果があるのです。 常識的に考えますと、相手に難しい仕事を依頼するときや、あるいは田舎への転勤を命じるようなときには、できるだけ早く、相手から返事が欲しいと思うものです。 相手に不利なことでも、電光石火のごとく頼めば、その勢いでОKの返事をもらえるかもしれないと期待するからです。 相手に不利な条件を提示したまま、相手に考える余裕を与えてしまっては、「ノー」といわれる可能性が高くなるような気がするのです。 しかし、この「仮眠効果」を活用すれば、実際にはその反対になるのです。 なぜなら、お願いされた人は、時間が経過すると、自分に言われたデメリットなどを忘れて、お願いされたという事実のみが記憶に残ってしまうため、だんだんと「その話に乗ってもいいかな」という気持ちになるのです。 ですから、あなたも相手に難しいことをさせようと思えば、頼んでから一呼吸を置くことです。 これを恋愛に活用する方法もあります。 彼女とキスをしたいが、どうしても真剣に言うのが照れくさくてしようがないときには、お笑いを交えながら冗談っぽく「今度、イヤと言うほどキスするからね」などと言ってみるのです。 最初は冗談で聞き流していたことも、時間が経つにつれて、「キスをする」と言う言葉だけが独り歩きをして、徐々にボディーブローのように効いてくるのです。 そのときの冗談っぽかった雰囲気は忘れてしまって、「キスをする」という記憶だけが蘇ってきますので、次回でのキスはスムーズにできるようになるのです。 |
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