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誰でも一日の持ち時間は同じですが、残念ながら、この時間は、すべて自由裁量で使うことはできません。とくにビジネスパーソンの世界では、上司は部下の時間を奪うこともできるからです。 上司は部下に仕事を言いつけることができますが、部下のほうは「今忙しいから」と言い返すのは難しいでしょう。 ★ですから、部下は自分の時間を上司に奪われないように、上司の単なる「便利屋」にならないように工夫しなればならないのです。 そして可能ならば、逆に上司をうまく活用して自分の時間効率を上げるというくらいの技術もマスターしておくべきでしょう。 ところで、上司の「ちょっといいか?」が、本当にちょっとで済むことなど絶対にありえません。少なくとも10分、長ければ1時間を超えることもあるでしょう。そして「午前中は仕事にならなかった」ということもあります。せっかくエンジンを全開で進めていた仕事に急ブレーキがかかることになります。 「ちょっといいか?」という上司の一言は悪魔のささやきに等しいのです。 上司からしてみれば、部下より重要な仕事をしているわけですから、部下に確認しておきたいこともあるのです。ですから、当然、部下は上司に協力すべきであって、基本的に上司は部下に気を使う必要などはありません。 では、部下はどうすればいいのでしょうか。 「昼までにクライアントに提出しなければならないので、5分でお願いできますでしょうか」「今日中にお客様に渡す見積書をつくらなければならないので、明日の朝一番にしていただくわけにはまいりませんか」といったように、自分の現状をしっかり伝えたうえで、期限を区切って逆提案すればいいのです。 上司の時間も、部下の時間も「価値」は同じなのです。「単価」が違うだけです。 上司には上司の仕事があり、部下には部下の仕事があります。それぞれがきちんと仕事をすることで成果を生んでいるのです。 しかし、上司のほうは年収がたいてい多いので、時間当たりのコストが高いという意味で重要というにすぎません。ですから、多忙ならば堂々と事情を話すべきです。 これは上司にとっても重要な情報です。 なぜならば、虻蜂取らずになりかねないからです。上司が命じた仕事を優先することで、部下が抱えている仕事が不十分なものになってしまったら、責任を取らされるのは上司だからです。上司というのは、部下よりも危ない地位なのです。 上司は部下がどれだけの仕事を抱えいるのか、正確なところはつかんでいないのですら、忙しいふりをしている部下ではなく、本当に忙しい部下に仕事を振り向けたりするのです。この事実だけを見ても、いかに部下の業務量を性格に把握していないかがわかるというものです。 |
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