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「水くさい」という言葉がありますが、いまの職場環境はどうも水くさい人間関係が少なくないようです。 たとえば、同僚などにちょっと何かことづけるときでもメールを使う。「ひと声かければいいじゃないか、すぐそこにいるだろ?」と思ってしまうのですが、「集中を妨げてはいけないと思って・・・」などと考えているようですが、これはナンセンスです。 上司に対してならわかりますが、「同僚に対してまで遠慮する人が増えてきたな」と感じられてなりません。遠慮とは、どういうことかと言えば、早い話が「他人行儀で、本音で話さない」という人間関係です。 人生はもちつもたれつ、仕事ももちつもたれつです。チームというのはそれができるように作られた仕組みですが、それがまったく機能していないわけです。 最近は、ワークシェアリングが盛んに行われていますが、これはアメリカのやり方です。 不景気のときに、失業を減らすことを目的として、「あなたの仕事はくここまで、ここからここまでは私の仕事、お互いに縄張りを侵すことはやめましょう」という趣旨であって、このような習慣は日本にはありませんでした。 日本では、忙しいときはお互いに仕事をやりくりします。「これは私の担当ではありません」など答えようものなら、「お役所仕事で融通がきかない」「セクショナリズムもいい加減にしろ」と非難されるべきものでした。 文化の違いといってしまえばそれまでですが、「忙しいときは一団結する」という日本的仕事法のほうがはるかに効率的であるし、従業員にとって、ずっと健康的だと思います。 他の人の仕事を経験すれば、その苦労が共感できます。お互いの仕事を体験してきたからこそ、仕事の幅を広げられます。 ですから、デスクをパーティションで区切ってプライベートを侵さないというオフィスなど、生産性があるように見えて、その実、たいした仕事はできていないはずです。 チーム力をパワーアップしたり、チームの風通しをよくしたり、仕事の進め方を改善したりするには、プライベートなど頓着する必要はありません。仕事はそもそも一人であれこれ考えても効果はありません。みんなが集まってチーム力を発揮したほうがずっと生産的です。 ★もっと横のつながりを大事にすることです。職場の人間は無条件に「仲間」なのです。「敵」は外にいるのです。そして、同僚というのは、やはり共感できる部分も大きいので、いざというときは強力な味方になってくれます。 職人の世界には、「盗んで覚えろ」という言葉がいまでも生きていますが、ビジネスパーソンの世界でこんなことをしていたら、生産性は上がりません。 わからなければ遠慮なく聞く、遠慮なく教えてもらうという姿勢で仕事をすることです。そうして能力を底上げしてもらうことが、結果的には、キャリアアップになるし、また会社の利益にもつながるはずです。 |
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