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★ 王道の「キドニタテカケシ衣食住」もいいけど 初対面などで「何を話していいか分からない」と、ハタと困った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。長寿番組『笑っていいとも!』で人気の対談コーナーを数十年続けた雑談の達人・タモリこと森田一義氏は「初対面と思わず、今日のゲストと自分は仲よしと思う」のが極意と回想していますが、一般人がなかなか真似できるものではありません。 そこで以前から話術の世界でよく知られているのが、「キドニタテカケシ衣食住」というキーワードを手がかりに切り抜けるという方法です。 ご承知のように、この雑談のためのキーワードは、話題となりそうなジャンルの頭文字の集合体です。「キ」=気候(季節)、「ド」=道楽、「ニ」=ニュース、「タ」=旅(旅行)、「テ」=テレビ、「カ」=家族(家庭)、「ケ」=健康、「シ」=仕事、「衣」=ファッション、「食」=食べ物、「住」=住まい、をそれぞれ意味しています。 自分がそのとき使いやすそうなネタをキーワードから取り出し、雑談の話題にして自分から話しかけるようにすれば、沈黙による気まずい思いをしなくて済むということです。 この「キドニタテカケシ衣食住」を呼び水にする方法は話題に困り果ててしまったときの緊急避難テクニックですが、ともすると当たりさわりのない話題になりがちで、初対面の相手との距離を縮めるには少々インパクト不足感も否めません。 ★ 「連帯・自虐ネタ、日々の疑問」で、共感を呼ぶ そこでおすすめしたいのが、この「キドニタテカケシ衣食住」にプラスして、「連帯・自虐ネタ、日々の疑問」を雑談のネタ帳にいつも加えておくことです。 まずは「連帯ネタ」とは、禁煙ブーム下で喫煙ルームに集まる愛煙家やトラブルで電車に閉じこめられた乗客に代表される、少数派同士やトラブルに巻き込まれた者同士が共有するネタのことです。 かたや「俺たち肩身が狭いね」と愚痴りあい、もう一方は「いつ動くか分からないとは参りましたね」と不運を慰め合い、初対面でも不思議な連帯感で結ばれる点は、驚くべき雑談ネタとして注目に値します。 次の「自虐ネタ」は、文字どおり、自分がドジった失敗談や恥ずかしい話をおもしろおかしく自己開示して、相手と打ち解けるものです。自慢話や成功談はともすると嫌味に映りますが、自虐ネタならそのような心配をせずに相手の気持ちを自然にほぐすことができます。 また、自分を落とすことで親近感を感じてもらうと同時に、失敗を笑い飛ばすことで、自身も引け目から解放されるのです。自分の恥をネタに笑いと共感を誘って相手の懐に飛び込む、とっておきの手段の一つです。 そして三つ目の「日々の疑問」は、誰もが大なり小なり毎日の生活の中で困った!と感じたことのあるネタ。「アナログレコードの音源をデジタル保存する方法ってあるの?」とか「ポイント還元と現金割引だとどっちが得?」など、前々から気になっていたことなどをすぐ話題にできるよう、こんな今どきの疑問が湧いたらすぐメモするクセをつけましょう。 【レッスンポイント】 ★ 話題に困ったときの呼び水のキーワード=「キドニタテカケシ衣食住」は、沈黙や気まずい瞬間を回避するための緊急避難術です。 ★ 「キドニタテカケシ衣食住」にプラスして、連帯ネタや自虐ネタのほか、前々から気になっていた日々の疑問なども雑談のネタ帳に追加しておくと、イザというときに役立ちます。 |
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