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★ 「いい人」には、いい意味とビミョーな意味が混在、一筋縄では定義できないからこそ、厄介! まず最初に「いい人」とはどんな人? 明確な定義はあるのでしょうか。 広辞苑によれば、【好い人】は @善良な人。ときに、好人物。A情人、恋人。 とあります。 ストレートに考えれば、人に迷惑をかけたりケンカしたりせず、親切で人当たりのいい誠実な人が@のタイプで、「私のいい人」といった言い方をすればAの恋人以上の愛しい相手を指す、というのが本来の意味のようです。 しかし、女性が「彼、いい人なんだけど・・」と男性をフルときの「いい人」はAの意味はなく、恋愛対象としてはゴメンナサイな男性のことでしょう。 つまり、「いい人」という言葉は、使う対象でビミョーに意味が変わるようです。 そもそも究極の「いい人」といえば、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』が連想されますが、自分のことは後回しにして他者を思いやる「いい人」がイメージされます。この詩に出てくるような究極の「いい人」であれば、ブレない自分を究めた理想の人間と言えるでしょう。 ところが、これが「お人好し」に転んでしまうと、「人を疑うことをせず信じやすく騙されやすい人」の意になり、やや蔑みの意味合いを帯びるようになります。 ★ 善良すぎる人(いい人症候群)のための生き方発想転換のすすめ そんな世間的な逆風もあって、「いい人」にはとかく苦労尽きない受難の時代が今です。 他人を出し抜く世知辛い社会では、「いい人」は得よりも損することが多く、人に利用されてしまったり、言いたいことがいえなかったりします。つらい気持ちを我慢することを強いられ、怒りや自責の念で心身ともストレスに苛まれ、生きづらさを感じます。 これがいわゆる(いい人症候群)であり、現代人がかかりやすい病的現象につながります。 逆風のなか、「いい人」でいることに疑問を持ったり、「いい人」でい続ける自分に自信が持てなくなったりといった泥沼に苦しむ人は予想以上に多く、昨今激増している新型うつにも関連していると見る向きもあるほどです。 「いい人」は、他人に認められるにはどうしたらいいかと考えすぎたり、愛されたい・認められたい・好かれたいと思いすぎ、右往左往し迷ってばかりです。 子どもの頃から親や教師に受けのよかった「いい子タイプ」から、優等生的に成長した「堅物タイプ」、優しさが弱さの裏返しと見られがちな「自信喪失タイプ」まで「いい人」にもいろいろなタイプがあり、ほかにも「人のいい人」「都合のいい人」「調子のいい人」など無個性で影の薄いタイプが多いのも、いい人症候群にはまって損しやすい人の傾向でしょう。 だからこそ、すべての「自分を変えたい人」「他人からの評価が気になってしかたがない人」「いい人で疲れた人」は、評価基準を他人から自分に転換して、「普通にいい人」をめざすのがいい解決方法です。 そんな人生発想の転換こそが、社会の荒波を進むのに「いい人」すぎて失敗した人の轍を踏まないで済む、最初の一歩になるのです。 ◆ 自分基準 ・自分のやり方に誇りを持っている ・いろいろな人との出会いが大事だ ・他人の評価に一喜一憂しない ◆ 他人基準 ・会社勤めなので上司の意見が大事 ・大手企業をやめて親をがっかりさせた ・ケガで成績がふるわず使えないヤツと思われる 他人基準を優先するのではなく、自分基準を満たす行動を取るのが重要。それを実践する上で、他者の目を意識するバランス感覚も必須となる。
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