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お笑い界の大御所のひとり、明石家さんまさんは、非常によく喋ります。 もちろん、彼の場合は喋ることが仕事ですから、当然と言えば当然ですか、一般にお喋りな人は大物に見られにくいです。 よく喋る人は陽気に見えるし、気さくにも見えます。そして人から好かれるでしょう。しかし、その親しみやすさのあまり、大物に見えにくいのです。 一方、最近のビートたけしさんは、テレビでもほとんど喋ろうとしない。無表情のまま、じっと黙っていることが増えてきました。 すると不思議なもので、視聴者のほうにもなんとなく「たけしさんは大物なんだなあ」というイメージが広がっていきます。 「明石家さんま」さんも「ビートたけし」さんも、いずれ劣らぬスターであり、大御所であるはずなのに、「大物感」ということで言えばビートたけしさんに軍配が上がるのは、年齢やキャリアだけでなく、「どれだけ喋るか」ということにも大きく関係しているのです。 そこで、どうしても周囲から小物扱いされて困るというのなら、いっそのこと貝になって沈黙してしまえばいいでしょう。中途半端に喋るから、小物扱いされるのです。 黙り込んでしまえば、次第に周囲が「気を悪くしたかな?」と気を遣うようになってきます。黙っているだけで、立場が逆転して勝利を収めることができるのです。 みなさまも、自分が喋っているときに相手が相づちも打たず、無表情のままじっと押し黙っていたら不安になるのではないでしょうか。「まずい、なにか怒らせるようなことを言ったのかな?」と心配になり、いろいろと気を遣ってしまうのではないでしょうか。沈黙はそれだけ恐ろしく、不気味なものなのです。 しかも、この沈黙戦術には練習がいりません。通常の会話術では、それなりの会話スキルや練習が必要になるのですが、沈黙戦術ではただ黙っていればいいのです。やろうと思えば今日からでも実践できるでしょう。 ただし、沈黙戦術はあくまでも「最後の手段」です。 正直な話、あまり沈黙戦術を使っていると周囲から嫌われ、ひとりも味方がいなくなってしまいます。アメとムチで言うなら、びっしりと棘のついたムチであり、こればかり遣っていては、相手が参ってしまいます。 自分が追いつめられたとき、あるいは相手を不安のどん底に突き落としたいとき、いざというときにだけ使うようにしましょう。 使い方さえ間違えなければ、最強の武器となってくれるはずです。
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